ティク・ナット・ハン師のおすすめの本が知りたい
マインドフルネスと食に関する本で、おすすめはありますか?
そんな疑問にお応えしましょう。
筆者は20代半ばから独学で瞑想を始め、2011年には本格的なヨガの修行をスタート。
その後講師としても活動し、指導歴はかれこれ10年を超えました。
今でこそ健康に過ごしていますが、実はかつては長く体調不良に陥ってもいました。
そんな中で、これまでの食生活を見直すきっかけにもなった一冊があります。
そこで今回は、ティクナットハンのおすすめ本。マインドフルネスと食を探究できる珠玉の一冊と題して、その内容を詳しくご紹介したいと思います。
ティクナットハンのおすすめ本。マインドフルネスと食を探究できる珠玉の一冊
その本は、ティク・ナット・ハン著「私と世界を幸福で満たす食べ方・生き方」です。
ティク・ナット・ハン師は、世界的に活動をしているベトナム生まれの禅僧です。
そんな師が、マインドフルネスという観点から食について記したのがこの本。
本の中で全体を通して貫かれているのが、
ではない、という考え方。
他にも目から鱗がボロボロ落ちる記述がたくさんあったので、順番にご紹介していきます。
ティク・ナット・ハン師からの問いかけ
ティク・ナット・ハン師の本「私と世界を幸福で満たす食べ方・生き方」がおすすめの理由1つ目は、人生とはなにか?という壮大なテーマを、冒頭から投げかけられる点です。
男と馬という禅の話
馬があまりにも早く走っているので
乗り手はよほど大事な用で急いでいるように見えた
「どこに向かって急いでるんだい?」と尋ねると
「知るもんか!馬に聞いてくれよ!」
この話は私たちの人生そのものではないだろうか?
この例えは、本当にハッとさせられました。
よく人間は、肉体という乗り物に乗っていると表現されたりもします。
だけど、自分の意思を見失って、乗り物に乗らされているということはないでしょうか?
ただ闇雲に、メディアの報道や情報に人生を左右されてはいないでしょうか?
このエピソードは、古くから伝わる比喩のようです。
つまり現代人のみならず、何千年も昔から、人類の悩みや性(さが)というのはあまり変わっていないということなのでしょう。
こうした例え話が分かりやすいのも、この本をおすすめしたい理由の一つです。
マインドフルネスとは、今ここに存在すること
ティクナットハン師の本「私と世界を幸福で満たす食べ方・生き方」がおすすめの理由2つ目は、マインドネスフルの定義がとても分かりやすかったという点です。
師は、
マインドフルネスとは、心の内外で起こることについて一瞬一瞬を意識すること
心を開きどっぷりとつかること
と、この本の中で書いています。
筆者はこれを、
やって来るものに、客観的かつ丁寧に向き合うこと
のように解釈をしました。
「瞑想すると無になれる」とか「瞑想しても無になれない」といったことを、聞いたことがないですか?
筆者も以前はそう捉えていた頃があるのですが、今は「無になる必要なんてない」し、なんなら「無になんかなれない」とすら考えています。
だって、無が「有る」ということは、それ自体がもう「無」ではないですもんね。
もっというと、瞑想という行為も、実はやらなくてもいいんじゃないかとも思っています。
詳しくはこちら↓
マインドネスフルとは何か?ということを、もう1段階も2段階も深く考えるきっかけにもなったと感じています。
完全な食生活なんてない
ティク・ナット・ハン師の本「私と世界を幸福で満たす食べ方・生き方」をおすすめする3つ目の理由は、この世に正解なんてないと気づかせてもらえた点です。
師曰く、
全てのライフスタイルにあった食事のパターン、ダイエットを保証する完全な食事のパターンは存在しない
とのこと。
テレビで「「リンゴを食べると痩せる」と放送されると、翌日、全国のスーパーから一斉にリンゴが姿を消す…
バナナだったり納豆だったり、同じことが定期的に繰り返されていますよね。
多くの人が正解を求めてるんだなあ…と感じます。
正解どおりにやっていれば安心、正解とは違う選択をすると損をしそうで不安、そんな気持ちもすごくよく分かります。
だけど、何が正しくて何が間違っているかなんて、人それぞれ違って当然だと思うんですよね。
ティクナットハン師も、そもそも正解も不正解もないんだよということを、この本の中で繰り返し言っていたように感じます。
こうしたマインドフルネスの本質に触れられるのも、この本をおすすめしたい理由です。
四食(しじき)
ティク・ナット・ハン師の本「私と世界を幸福で満たす食べ方・生き方」がおすすめな理由4つ目は、栄養の概念が覆されたからです。
栄養といえば、科学者の多くは野菜などの食べ物、あるいはタンパク質などの栄養素のことだと考えます
しかし仏教では、栄養をもっと包括的に捉えます=四食(しじき)
㊀ 口から摂る物質的な栄養
㊁ 五感から得る感覚的な栄養
㊂ 欲望や願望等、内から自己を育む栄養
㊃ 経験から得られる栄養(意識)
西洋的な考え方では、栄養とは食べ物や飲み物などから摂取するもの、というのが一般的かと思います。
だけど、仏教やマインドフルネスな見方では、もっと広い概念で栄養というのを捉えているようです。
例えば、自分の過去の失敗や成功といった経験も、今の自分を形作る栄養と捉える。
自分の周りの人たちとの関係性も、自分を形成するのに欠かせない要素だと考える。
つまり、形あるものないものに関わらず、全てが自分にとっての栄養であるということ。
ということは、人生のあらゆる行為が食べるという行為とも言えるのかもしれません。
ああ、そっか!これの行き着く先が「空」か…
「空」は「食う」
最後はダジャレや謎かけのような結論になりましたが、とにかくマインドフルネスと食について、かなり自由な発想で思いを巡らせることのできる一冊でした。
ティクナットハンのおすすめ本。マインドフルネスと食を探究できる珠玉の一冊 まとめ
以上、ティクナットハンのおすすめ本。マインドフルネスと食を探究できる珠玉の一冊というテーマで解説をしました。
この本がさらに面白かったのは、哲学的な内容でありながら、科学的なデータや最新の動向なども随所に盛り込まれていてたこと。
デザインも文体もシンプルで落ち着いているので、マインドフルネスと食、栄養学などに興味のある方には、ぜひおすすめしたい一冊です。
マインドフルネスを心がけて、筆者の身に起きた変化をこちらに詳しく書きました↓
マインドフルネスを実践してるけどあまり効果を感じないという方は、筆者の体験がお役に立てば↓
最後までお読みいただき、ありがとうございました。