瞑想と睡眠の違いが知りたい
瞑想すれば睡眠の代わりになるってホント?
そんな疑問にお答えしましょう。
筆者は20代半ばに独学で瞑想を始めました。
その後、ヨガ道場に入門し本格的に修行を開始し、講師としてもこれまでに約20,000人の方に指導もしてきました。
クラスを教えていると「瞑想するとどうしても眠ってしまう」「瞑想中はなぜ寝てはいけないのか?」と言った相談や質問をよく受けます。
そこで今回は、瞑想と睡眠の違い。瞑想は睡眠の代わりになるかヨガ講師が詳しく解説と題して、筆者の体験と考えをご紹介いたします。
瞑想と睡眠の違い。瞑想は睡眠の代わりになるかヨガ講師が詳しく解説
瞑想と睡眠の違いは、結論から言うと、
意識を自分がコントロールできているかどうか
と言えるかと思います。
どういうことか、さらに詳しく解説します。
むしろ真逆
瞑想と睡眠の違いは、ちょっと違うというよりむしろ真逆くらいに筆者は考えています。
睡眠についてWikipediaにはこのように書かれています。
周期的に繰り返す、意識を喪失する生理的な状態のこと
Wikipedia 睡眠
体の動きが止まり、外的刺激に対する反応が低下して意識も失われている
睡眠が何をしているのか、本当のところはまだ解明されていないらしいですが、睡眠中には意識のコントロールは手放していると考えてよさそうです。
次に瞑想について、Wikipediaではこう説明されています。
心を静めて無心になること、何も考えずリラックスすること、心を静めて神に祈ったり、何かに心を集中させること、目を閉じて深く静かに思いをめぐらすことなどとされている
Wikipedia 瞑想
つまり瞑想中は、何もしないけれど意識はちゃんとある状態と考えてよさそうです。
また瞑想には、大きく分けて2種類の分類があると言われています。
1つがサマタ瞑想といって、何か一つのことに意識を集中する瞑想。
代表的なのが、ろうそくの炎をただしっと眺めるといったようなものです。
もう1つがヴィパッサナー瞑想といい、すべてをありのまま観察する瞑想法。
ボディスキャン瞑想や歩行禅などが該当すると思います。
つまりどちらの瞑想法も意識を手放すことはなく、むしろ意識をコントロールする力を養っているとも言えます。
なので瞑想とはただ座って何も考えないのではなくて、ものごとがはっきりと見えている状態と言ってもいいかもしれません。
共通点もある
瞑想と睡眠はただ違っているだけではなく、深い共通点もあると考えられます。
それは以下の2つ。
①定期的に行うことに意味がある
②メンテナンス作業である
①定期的に行うことに意味がある
睡眠と瞑想の共通点の1つ目は、定期的に行うことに意味があるということです。
筆者は瞑想を毎日続けようと決めた時に、瞑想は睡眠と同じというように考えました。
寝溜めができないように、瞑想溜めもおそらく意味がないだろうから、睡眠と同じように毎日淡々と時間になったら瞑想しようと思ったのです。
睡眠は、本能的な生理現象です。
夜になったら自然に眠くなり、寝ないと生命が維持できません。
瞑想もそれと同じように、生命維持に必要不可欠な、朝起きたら自然にやっちゃうものみたいな位置付けにしてみたのです。
やろうとするから、逆にやりたくないとかサボりたいという気持ちが湧いて、それが挫折の原因にもなったりしませんか?
実際、筆者が教わっていた瞑想の先生は、瞑想は歯磨きのようなものといつも言ってました。
これで何かを得ようとか、そんなこと考えずにやるんだ、と。
えー、毎日やらなきゃいけないなんてしんどいな…と思うかもしれませんが、むしろ毎日やると決めちゃった方が実は楽だと、筆者は感じています。
というのも、例えばお風呂って毎日入った方が理想的かもしれないけど、忙しいときや体調が悪い時などは、簡単にシャワーで済ますこともありますよね。
瞑想も「毎日必ずやる。だけど今週は忙しいから5分でOK」くらい柔軟に考えていた方がムリなく続けられると思うんですよね。
瞑想は睡眠の代わりになるのか?
瞑想は睡眠の代わりになるのか? 結論から言うと、
なるとも言えるし、ならないとも言える
というのが筆者の見解です。
どっちかはっきりしろ!と言われそうですが、実は筆者はどちらのケースも経験しているのです。
代わりになる場合
瞑想が睡眠の代わりになると感じる時は、その両者によい循環が起こっている時です。
例えば、筆者のヨガのクラスでは、最後に必ず座って行う瞑想と、仰向けになるシャバアサナ(しかばねのポーズ)を行います。
これには理由があって、練習の効果を吸収し、かつ心身のエネルギーを回復させる効果を期待してのことです。
同じように日常生活でも、夜寝る前の瞑想には、1日の体験を整理したり心身のリセットを促す効果があるように感じます。
また朝の瞑想は、その日1日を無理なくより精力的にスタートするのにとてもよい方法だと思います。
このように、瞑想によって体調や精神的な安定が保たれると、入眠がスムーズになったり熟睡できたりして、結果的に短い睡眠時間でも疲れにくいという好循環が生まれたりもします。
ならない場合
逆に、瞑想しても睡眠の代わりにはならないと感じたケースもありました。
それは瞑想に依存している時が多かったように思います。
どういうことかと言うと、筆者は現実逃避をするように、瞑想ばかりしていた時期があったんです。
瞑想をすると、確かに気持ちよかったり、気持ちが軽くなったりします。
なので何か嫌なことがあったり課題が現れるとすぐに瞑想、みたいになっていたのです。
すると、現実と想像の区別がよく分からなくなってくるんですよね。
地に足が着かず、いつもフワフワした感覚なので、日中も居眠りしたり、朝もなかなか起きられないということもよく起こっていました。
師匠からは「しばらく瞑想はするな」と忠告を受けたりしました。
その時はなぜそんなことを言われるのかよく分からなかったんですが、今になって思うと、あのまま瞑想に頼っていたらきっと社会の中で生きていくのが相当難しくなっていたようにも感じます。
いくら睡眠が体によいからといっても、健康的な人間が1日中寝ていたら、それはかえって不健全だと思うんですよね。
なので瞑想もやりすぎると、睡眠の代わりにならないどころか、日常生活や人生にも支障をきたす可能性があると身をもって感じました。
瞑想の快楽に溺れて抜け出せなかった(笑)ころの話は、こちらに詳しく書きました↓
瞑想と睡眠の違い。瞑想は睡眠の代わりになるかヨガ講師が詳しく解説 まとめ
以上、瞑想と睡眠の違い。瞑想は睡眠の代わりになるかヨガ講師が詳しく解説というテーマで解説しました。
瞑想は、睡眠のように毎日淡々と続けることで、本当にたくさんの効果が得られます。
筆者の体験をこちらに詳しくまとめました↓
眠れはするけど熟睡できないという方は、筆者が実践している方法がお役に立てば↓
瞑想について本格的に知りたいという方は、こちらが参考になれば↓
筆者がこれまでに学び実践して来た瞑想のやり方や注意点などを、体系にしてまとめました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。