体にいい油と悪い油の見分け方が知りたい
サラダ油やキャノーラ油が体に悪いって、ほんと?
そんな疑問にお答えしましょう。
料理に使う油なんて何を選んでも一緒、そんなふうに思っていませんか?
筆者もかつてはその程度にして思っていなくて、スーパーの棚の中で一番安い油を買っていたりしました。
ですが10年ほど前から食生活を見直すようになり、特に食用油の品質には気を付けるようになりました。
そこで今回は、体にいい油と悪い油の見分け方。そのサラダ油やキャノーラは大丈夫?と題して、詳しく解説したいと思います。
体にいい油と悪い油の見分け方。そのサラダ油やキャノーラは大丈夫?
体にいい油と悪い油は、一体どうしたら見分けることができるのか?
結論から言うと、油の種類だけでは、どれがいいのか悪いのかは一概には言えません。
重要なのは絞られ方です。
体にいい油と悪い油を見分けるために、まずは油の絞られ方には主に次の3つの方法があることを押さえておきましょう。
①低温圧搾
②高温圧搾
③溶剤抽出
この中で最も体にいいと言えるのが、低温圧搾で絞られた油です。
そして体への悪影響が懸念されるのは、溶剤抽出された油です。
それぞれどういった絞り方で、どのように見分けられるのか、詳しく解説いたします。
①低温圧搾
圧搾とは、
原材料に圧力をかけて油をしぼりだす方法
健康を気にする人の油の選び方|日々ノ道具 奥田金物
のことで、特に熱を加えずに絞ることを低温圧搾(コールドプレス)と言います。
レモンやすだちを半分に切って果汁を絞ったりしますが、あれをイメージすると分かりやすいかと思います。
厳密な規定はないようですが、60度以上の熱を加えないことが条件とされているようです。
そのため栄養素が壊されることなく、新鮮な油を搾ることができるというわけです。
ですが難点もありまして、それは低温圧搾では、原料から20〜30%の油しか絞り出せないということ。
そのためスーパーなどではあまり見かけることがありませんし、もしあってもかなり高額です。
とはいえ、原料や絞られた油が高温によって変質することが少ないため、体にいい油を摂りたいのであれば、低温圧搾の油を選ぶのがおすすめだと言えるでしょう。
低温圧搾(コールドプレス)とは一体どんな製法なのか、言葉でイメージしにくい場合は、こちらの動画が分かりやすいと思います↓
②高温圧搾
低温圧搾(コールドプレス)が、自然な圧力だけで油を搾る一方で、200度以上の熱を加えながら油を絞り出す方法を高温圧搾と言います。
また、高速で圧搾気を回すことにより、摩擦熱が生まれる場合もあるようです。
原料から60〜70%の油を搾ることができますが、栄養素の破壊や酸化、圧搾後の加工や精製などで、油の質は低温圧搾よりも下がると考えてよいでしょう。
とは言え有害な薬品を用いていない分、この後ご紹介する溶剤抽出よりは、まだ安全だと言えるかもしれません。
見分け方としては、「圧搾製法」としか書かれていない場合は、低温圧搾(コールドプレス)ではなく、この高温圧搾であると思って間違いないでしょう。
高温圧搾とはどういった絞り方なのかは、こちらの動画をご覧ください↓
③溶剤抽出
次は、体に悪いと言われている溶剤抽出についてです。
溶剤抽出とは、
粉砕した種子と有機溶剤をまぜて、油分を溶剤に溶かし込んだ後、蒸留して溶剤を再分離する
溶剤抽出|weblio辞書
方法のことで、①と②で紹介した圧搾よりも、効率よく油を取ることができます。
数字にすると99%以上、ほぼ100%に近いくらい、原料から油から取り出すことが可能と言われています。
そのため、市販されている油の多くがこの溶剤抽出によって作られています。
溶剤抽出がなぜ体に悪いと言われているかというと、その最たる理由は、使われる溶液にあると言えるでしょう。
ノルマルヘキサン
溶剤抽出には、ノルマルヘキサンという有機溶剤が主に使われています。
ノルマルヘキサンと聞いてもピンとこないと思いますが、簡単に言ってしまえばガソリンのようなものと考えればよいかと思います。
油汚れを洗浄する効果もあり、ホームセンターなどでは自動車用品のブレーキクリーナーなどとしても販売されているようですし、染み抜きに用いるベンジンにもノルマルヘキサンが含まれています。
食品に用いられる場合は、残留しないことを条件に食品添加物として認められていますが、表示義務はありません。
ノルマルヘキサンは体に悪いと言われている理由は、次のようなものが挙げられます。
めまい、頭痛、吐き気、腹痛、脱力感、肝機能障害、手足のしびれ(神経障害)、皮膚の乾燥や痛み、腹痛
など。
またノルマルヘキサンを用いて溶剤抽出した油は、酸化が早いと言われています。
スーパーの特売品になっているような、大容量だけど値段の安い油は、間違いなくこの溶剤抽出だと思ってよいでしょう。
溶剤抽出とは、具体的にどのような仕組みの方法なのかは、こちらの動画が分かりやすいと思います↓
サラダ油とキャノーラ油
ここまで、体にいい油と悪い油の見分け方について詳しくご紹介してきましたが、もう少し具体的にどんな油が体に悪いと言えるのでしょうか?
スーパーで特売されている油で多く目にするのが、サラダ油とキャノーラ油だと思います。
それぞれどういったものなのかを、詳しく見てみましょう。
サラダ油
サラダ油とは、
低温下でも濁ったり、固化することのない調味油のこと
Wikipedia サラダ油
1924(大正13)年に日清製油(現日清オイリオグループ)が、サラダなど非加熱料理でも使える精製度の高い油を「サラダ油」と名付けて販売した
とのこと。
ドレッシングには油が使われていますが、冷蔵庫に入れておいても固まらないのはサラダ油のおかげと言えます。
値段が安いことからも想像できるように、先ほど体に悪い製法としてご紹介した溶剤抽出によってほとんどが製造されています。
さらには温度が下がってもサラサラのままにするためには、さまざまな加工や精製も加えられていることは、容易に想像がつきますよね。
プラスチック容器
大抵のサラダ油はプラスチック容器に入れられて販売されていると思いますが、これも安全性が懸念されます。
国民生活センターによると、
カップ容器に入った即席めんを調理した際、MCTオイルやえごま油等を加えたところ、容器が破損して湯が流出した
発泡ポリスチレン製容器にMCTオイルやえごま油等を加えるのはやめましょう|独立行政法人国民生活センター
といった相談が、2018年度以降の約5年間に6件寄せられられたとのことです。
つまり油の成分やプラスチックの種類の組み合わせによっては、油がプラスチックを溶かす恐れがあるということです。
プラスチックにはそもそも親油性(油に溶け出す性質)があるとも言われていますので、筆者は食用油を買うときは、できるだけガラス瓶に入ったものを選ぶようにしています。
キャノーラ油
キャノーラ油とは、
菜種油のうち、キャノーラ品種から採油されたもの
Wikipedia 菜種油
キャノーラ種の菜種はカナダで開発されたので「カナダのオイル=キャノーラ」と呼ばれているそうです。
菜種には本来、エルカ酸(心臓障害を引き起こす恐れ)とグルコシノレート(甲状腺腫と誘発する可能性)という毒性を持っています。
ですが、品種改良によってそれらを含まないようにしたのがキャノーラ種の菜種です。
遺伝子組み換え
毒性がないのなら、キャノーラ油は体にいいのではないか?と思うかもしれませんが、危険性はまた別のところにあるんです。
それは、キャノーラ油の原料となる菜種は、そのほとんどが遺伝子組み換え作物であるということです。
先ほども書きましたが、キャノーラ種はカナダで生まれました。
年間約300万トンのキャノーラ油を生産する主要国であり、さらにその内およそ94%が輸出されているそうです。
ところがカナダで栽培される菜種は、その96%が遺伝子組み換え作物だと言われています。
日本で販売されているキャノーラ油は、その原料である菜種はほとんどをカナダから輸入しています。
つまりキャノーラ油を摂取すると、ほぼ間違いなく遺伝子組み換えされた菜種を口にしているということになるわけです。
商品のパッケージにも、メーカーのホームページにも、どこにも「遺伝子組み換え」とは書いてないから、そんなことないんじゃないの?と思うかもしれません。
ですが原料にいくら遺伝子組み換え作物が使われていたとしても、加工された後の食用油には表示義務がないんです。
つまり、パッケージや成分表示に「遺伝子組み換えでない」等の表示がなければ、それは遺伝子組み換え作物を使用しているということになります。
菜種以外にも、とうもろこし、大豆、ワタも、そのほとんどが遺伝子組み換え作物であると言われています。
キャノーラ油以外にも、これらの原材料が使われている安い油は、十分に気をつけた方がいいかもしれません。
体にいい油と悪い油の見分け方。そのサラダ油やキャノーラは大丈夫? まとめ
以上、体にいい油と悪い油の見分け方。そのサラダ油やキャノーラは大丈夫?というテーマで解説しました。
「油を摂りすぎると太るし体に悪い」という思い込みはありませんか?良質の油はむしろたくさん摂るべきです。
脂肪が増える原因は実は砂糖であるという話を、こちらに詳しく書きました↓
質の悪い油同様、食品添加物もできるだけ摂らないことをおすすめします。詳しくはこちら↓
アルミやフッ素加工のフライパンも体に悪影響があると言われています。
おすすめは鉄。詳しくはこちらをどうぞ↓
最後までお読みいただき、ありがとうございました。