ティク・ナット・ハン師のおすすめの本が知りたい
マインドフルネスと食に関する本で、オススメはありますか?
こんな疑問はありませんか?
この記事では、
ティク・ナット・ハン著「私と世界を幸福で満たす食べ方・生き方」
について、詳しくレビューいたします。
筆者のケンは、
かつて、仕事のストレスや、噛み合わせのズレなどが原因で、
長く体調不良に陥ったことをきっかけに、
マインドフルネスやヨガの練習を始めました。


現在は、東京都内を中心に各地で指導もしています。
また、心身の健康やライフスタイルなどの情報を、
SNSでも発信しています。
役に立ちそうでしたら、ぜひのぞいてみてください。
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ティク・ナット・ハン:マインドフルネス本レビュー「私と世界を幸福で満たす食べ方・生き方」
ティク・ナット・ハン師の
「私と世界を幸福で満たす食べ方・生き方」を読んだ感想。
結論から言うと、
ぼくの中で一番、目からウロコだったのが、
ではない、ということ。
直感的に、
興味を掻き立てられて手に取った本でしたが、
予想以上の衝撃を受けました。
ティクナットハン師は、
世界的に活動をしている、
ベトナム生まれの禅僧です。
そんな師が、
マインドフルネスという観点から、
食について記した本書。
読んで印象に残った部分と感想を、
順番に書いていきます。
ティク・ナット・ハン師からの問いかけ
「私と世界を幸福で満たす食べ方・生き方」の冒頭で早速、
ティク・ナット・ハン師は、
馬に乗る男の話を例にして、
人生とはなにか?
と問いかけてきます。
男と馬という禅の話
馬があまりにも早く走っているので
乗り手はよほど
大事な用で急いでいるように見えた「どこに向かって急いでるんだい?」
と尋ねると
「知るもんか!馬に聞いてくれよ!」この話は
私たちの人生そのもの
ではないだろうか?
この例え、本当に面白い。
よく人間は、
人という乗り物に乗っている、
という風に例えられます。
だけど、
自分の意思を見失って、
乗り物に乗らされているということは、
ないでしょうか?
ただ闇雲に、
メディアの情報や、そこから生まれる不安や焦りなどに、
人生を左右されてはいないでしょうか?
このエピソードは、
禅で語られていることらしいです。
つまりは、
現代人だけでなく、何千年も昔から、
人類の悩みや性(さが)というのは、
あまり変わっていないんだなとも思います。
こうした例え話が分かりやすいのも、
この本をおすすめしたい、
理由の一つです。
マインドフルネスとは「今ここに存在する」こと
マインドフルネスの定義についても、
ティク・ナット・ハン師は、
この本の中で語っています。
“マインドフルネスとは
心の内外で起こることについて
一瞬一瞬を意識すること心を開き
どっぷりとつかること”
無になるのではなく
むしろ
事実に客観的に全力で向き合うこと
のように
ぼくも解釈してる
上の太字が本書、
「私と世界を幸福で満たす食べ方・生き方」
に書かれていたティク・ナット・ハン師の言葉。
下の細字は、
マインドフルネスに対するぼくなりの解釈です。
よく「無になるのが難しい」という相談を受けるんですが、
無になんてなれない、とぼくは思ってます。
そもそも無というものは存在しない、と。
だって、無っていう概念が「有る」ということは、
それ自体がもう「無」ではないですからね。
● 参考記事

だからぼくは、
マインドフルネスでも瞑想でも、
無になんてなる必要はないと思っています。
ティク・ナット・ハン師のメッセージも同じで、
今ここに起こっていることを、
ただそのまま見ればいいと、
言っています。
まあ、言葉でいうのは簡単でも、
いざやろうとするとすごく難しいんですが・・苦笑
難しいからこそ、毎日練習するわけです。
● 参考記事


ティク・ナット・ハン師曰く”完全な食生活”なんてない
「私と世界を幸福で満たす食べ方・生き方」の本の中で、
ティクナットハン師は食事について、
こう語っています。
“全てのライフスタイルにあった食事のパターン、
ダイエットを保証する「完全な」食事のパターンは存在しない”
これもすごく、
マインドフルネスな考え方だなと思いました。
テレビで、
リンゴを食べると痩せる!
というと、
全国のスーパーから一斉に売り切れて、姿を消してしまう。
みんな、正解を求めてるんだなあ・・と感じます。
正解じゃないと、
不安になってしまう。
● 参考記事

正解は、人それぞれ違うはずだし、
違っていて当然だと思うんですよね。
● 参考記事

ティクナットハン師も、
そもそも正解も不正解も、ないんだよ
ということを、
この本の中で繰り返し言っていたように感じます。
● 参考記事

マインドフルネスな栄養の定義:四食(しじき)
栄養について、
ティク・ナット・ハン師はこのように記していました。
栄養といえば、科学者の多くは野菜などの食べ物、あるいはタンパク質などの栄養素のことだと考えます
しかし仏教では、栄養をもっと包括的に捉えます=四食(しじき)
・口から摂る物質的な栄養
・五感から得る感覚的な栄養
・欲望や願望等、内から自己を育む栄養
・経験から得られる栄養(意識)
栄養とは食べ物や飲み物などから摂取するもの、
というのが西洋的な考え方です。
だけど、
仏教・マインドフルネスな見方では、
もっと広い概念で、
栄養というのを捉えているようです。
例えば、
自分の過去の失敗や成功といった経験も、
今の自分を形作る栄養と捉える。
自分の周りにいる人たちとの関係性も、
自分を形成するのに欠かせない要素だと考える。
● 参考記事

形のあるものないものに関わらず、
全てが自分にとっての栄養ということ。
確かに、
とてもマインドフルネスな、
ものの見方だなと思いました。
ということは、
人生のあらゆる行為が、食べるという行為だ、
とも言えるのかもしれません。
ああ、そっか!
これの行き着く先が「空」かあ・・
「空」と「食う」
か!なるほど!
最後の最後で、
ティク・ナット・ハン師のユーモアと、
スケールの壮大さに驚きつつ、
「私と世界を幸福で満たす食べ方・生き方」を、
読了しました。
いやー。
マインドフルネスな食についての考察は、
本当に面白く、有意義なものでした。
ティク・ナット・ハン:マインドフルネス本レビュー「私と世界を幸福で満たす食べ方・生き方」まとめ
もう一度、記事の内容をまとめてみます。
ティク・ナット・ハン:マインドフルネス本レビュー「私と世界を幸福で満たす食べ方・生き方」
ティク・ナット・ハン師からの問いかけ
・自分の人生を生きているか?
マインドフルネスとは「今ここに存在する」こと
ティク・ナット・ハン師曰く”完全な食生活”なんてない
マインドフルネスな栄養の定義:四食(しじき)
・形のあるものないものに関わらず、全てが自分にとっての栄養
・人生のあらゆる行為が、食べるという行為
以上、
ティク・ナット・ハン:マインドフルネス本レビュー
「私と世界を幸福で満たす食べ方・生き方」
というテーマで解説をしました。
食とマインドフルネス
どちらも一生かけても知り尽くせないようなテーマだと思うんだけど、
そのどちらについても、
科学的なデータや最新の動向なども盛り込まれていて
内容の深さと鮮度に驚いた本でした。
デザインも文体も、
とてもシンプルで落ち着いているので、
マインドフルネス、食や栄養学、に興味のある方には、
きっと読み応えのある本ですよ。
おすすめします。
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